ほんとの出会い系ブログ

今まで出会った本をご紹介します。人気の作品や良書と呼ばれる本が多いと思いますので、出会いのきっかけになれば幸いです。

機動戦士ガンダムUC(6) 重力の井戸の底で

小説版「機動戦士ガンダムUC」の第6巻です。今回は地球が主な舞台となります。

大気圏突入でユニコーンガンダムごとガランシェールに回収されたバナージは、サハラ砂漠に不時着後、袖付きに協力するロニ・ガーベイと出会い、ラプラス・プログラムが示す次の座標である地球連邦政府の首都ダカールへ向かうこととなります。一方、移民問題評議会の議長ローナン・マーセナスはロンド・ベル隊のブライト司令を呼び出し、そのガランシェール捜索と息子のリディ少尉をブライトの艦に乗せるよう依頼します。

第6巻はアニメ版の episode 4「重力の井戸の底で」に相当しますが、各シーンが詳細に描写されます。例えば次のようなシーンです。

  • 地球連邦海軍の潜水艦「ボーンフィッシュ」が撃沈されるシーン。小説版では冒頭で乗組員たちの会話が描かれます。
  • バナージがジンネマンと二人で砂漠を越えるシーンでは、砂漠の過酷な環境が詳細に描かれます。特に、砂嵐に遭遇し、その後に目指していた町を見つけたジンネマンとバナージの喜び方はアニメ版では見られない印象的なシーンです。
  • ガランシェール隊のフラストが話す、ジンネマンの故郷が連邦軍兵士に襲撃された時の表現はアニメ版よりも惨いもので、ジンネマンの深い怨念を再認識させられます。
  • 北米オーガスタのニュータイプ研究所で、科学者たちがマリーダを洗脳するシーン。小説版ではマリーダ側の意識も描写されます。

しかし、小説版のもっとも異なる点は、ロニ・ガーベイでしょう。小説版ではロニの父マハディ・ガーベイが登場し、ダカールでの作戦に強い影響力を持ちます。アニメ版ではモビルアーマーシャンブロ」をロニが一人で操縦しますが、小説版では父と二人の兄の合計4人で操縦します。好戦的なのも父の方で、ロニはどちらかというとアニメ版よりも優しい少女に描かれており、その行動はアニメ版と大きく異なります。アニメ版では力強いロニが印象的でしたが、小説版のロニもぜひ知っていただきたいと思います。

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