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ほんとの出会い系ブログ

今まで出会った本をご紹介します。人気の作品や良書と呼ばれる本が多いと思いますので、出会いのきっかけになれば幸いです。

流れ行く者: 守り人短編集

流れ行く者: 守り人短編集 (新潮文庫)

流れ行く者: 守り人短編集 (新潮文庫)

精霊の守り人」から始まる「守り人シリーズ」の女用心棒バルサの、13歳頃のエピソードを綴った短編集です。「守り人シリーズ」本編でも触れられていますが、この頃のバルサはジグロと共に故郷カンバル王国からの追手から逃れる生活をしており、一つの場所に長くとどまることはありませんでした。それでも新ヨゴ皇国にいるときは呪術師トロガイのところに世話になっており、そこで年下のタンダとたまに遊んであげたりします。

この短編集では国を揺るがすような大きな事件や不思議な現象が起こるわけではありませんが、代わりに日常生活が多く描かれます。それはバルサやタンダの日常なのですが、二人の日常は両極端といえます。タンダの家は野良仕事をしているため、タンダも親兄弟と一緒に毎日朝から晩まで働くという代わり映えの無い日常です。ただし、タンダはたまに山の中へ入り、呪術師トロガイに会いに行きます。それはトロガイに自分が見た不思議なものが何なのかを相談したり、バルサに会えるからです。タンダの日常はせいぜい自分の家や村、トロガイのいる山の中で済んでしまいます。

一方、バルサの日常は、とどまっている場所によって大きく異なります。トロガイのところにいる時は比較的平穏ですが、隣のロタ王国へ行った場合は、ジグロが用心棒をしている酒場で給仕をやって生活費を稼ぎますし、ジグロと一緒に隊商の護衛士に混ざることもあります。当然、命の危険を伴う場面にも遭遇します。

このように両極端な日常を過ごしている二人ですが、「守り人シリーズ」本編と同様、お互いに気にかけていることがよくわかります。それは大人になった二人よりもより直接的で感情的なもので、「二人が子供の頃はこんな感じだろうか」という想像を見事に物語にしてくれたような気がします。

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