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ほんとの出会い系ブログ

今まで出会った本をご紹介します。人気の作品や良書と呼ばれる本が多いと思いますので、出会いのきっかけになれば幸いです。

神の守り人〈上〉来訪編

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

守り人シリーズ第5巻の「神の守り人」上巻です。「神の守り人」は上下巻に分かれており、物語の主な舞台は新ヨゴ皇国の隣国ロタ王国です。これまで、新ヨゴ皇国の隣国として「闇の守り人」ではバルサの故郷カンバル王国が、「虚空の旅人」ではサンガル王国が登場しましたが、最後の重要な隣国がこのロタ王国です。

物語は、ロタ王国との国境に近い新ヨゴ皇国の宿場町から始まります。この町では「草市」が開かれており、タンダに付き合ってこの町を訪れてたバルサは、そこで人買いに連れられた兄妹・チキサとアスラに出会います。その日バルサとタンダが泊まった宿屋には、偶然タンダの知り合いであるロタ王国の呪術師スファルが泊まっており、さらにはあの人買いたちと兄妹もいました。そしてこの宿屋で事件が起こります。人買いたちが姿の見えない何かに突然のどを切り裂かれて死に、バルサも巻き込まれて傷を負ってしまうのです。さらに宿屋が火事になり、何者かに連れ去られそうになったアスラを助けてなんとか逃げ出したバルサでしたが、タンダとチキサは捕えられてしまいます。実は、アスラを連れ去ろうとしたのも、タンダたちを捕えたのも、スファルの仲間だったのです。

人買いたちは何者によって殺されたのか、スファルはなぜアスラを狙うのか、それはロタ王国が成り立った歴史や神々の世界「ノユーク」に大きく関わってきます。また、過去の歴史だけではなく、現在ロタ王国が抱える北部と南部の格差問題も複雑に絡み合ってきます。上巻である本書は、そのようなロタ王国の歴史や政治、それに関わるロタ王国の様々な立場の人々を丁寧に描きます。

本書で印象的だったのは、スファルがアスラを狙う理由を知って迷うタンダに対し、一貫してアスラを助けようとするバルサのシーンでした。アスラの境遇を自らの過去に重ねたバルサは彼女を助けた後も行動を共にし、捕えられたタンダとチキサを助けるために動き出すところで下巻へと続きます。

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