機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 (角川文庫―スニーカー文庫)

機動戦士ガンダムの初めてのOVA作品の小説版です。ほとんどのガンダム作品の主人公はパイロットですが、この作品の主人公のアルは普通の小学生です。パイロットではない子供の視点から戦争を描いた、個人的に一番好きなガンダム作品です。

一年戦争末期、アルの住んでいる中立コロニーに突如ジオンのモビルスーツが襲撃してきます。小学生のアルは、戦争に恐怖よりも憧れのようなものを抱いており、被弾して墜落したジオンのモビルスーツを追って森の中へ入って行きます。そこでジオンの兵士バーニィと出会い、他のジオン兵や作戦と関わり、ゴッコではない残酷さや虚しさを伴う戦争というものを体験していきます。

主人公がパイロットではないことや、アルが出会ったのがジオン兵ということで、ガンダム作品でありながらガンダムが脇役と言えるかもしれません。しかしだからこそ、かっこいいモビルスーツもさることながら、登場人物同士の関係や、アルが身近に戦争というものを感じて成長するというストーリーに魅力がある作品だと思います。

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