ほんとの出会い系ブログ

今まで出会った本をご紹介します。人気の作品や良書と呼ばれる本が多いと思いますので、出会いのきっかけになれば幸いです。

基本から学ぶソフトウェアテスト

基本から学ぶソフトウェアテスト

基本から学ぶソフトウェアテスト

ソフトウェア開発にとってテストが必須であることは言うまでもないでしょう。ところが、納期が迫っているとテストスケジュールが短縮されてしまうという話もしばしば聞きます。テストの自動化によってテスト効率の改善が期待できますが、何をテストすべきか、どんなテストをすべきかはやはり人間が考えなければなりません。本書は、限られたスケジュールで適切なテストを行うために、テストの基本からテストの種類、方法、障害報告、テストチームの管理まで、ソフトウェアテストについて幅広く説明します。本書は次のような三部構成となっています。

  • 第I部 基本編
    第2章ではすべてのエラーを発見する完全なテストは不可能である(完全テストの神話)とし、その理由と、テストでは何を目的にすべきかということを説明します。第3章ではテストの種類を説明し、第5章では発見したバグを報告する際には、どんなことを伝えるべきかを説明します。単に「プログラムが動かない」と報告しただけでは、報告された方も困ってしまうというのはよくある話です。

  • 第II部 テスト技術各論
    第7章ではテストケースを作る際の様々な基準を示します。テストの対象はプログラムだけとは限らず、第10章ではユーザマニュアルのテストについて説明します。第12章ではテスト計画の立て方と、そのドキュメントについて説明します。

  • 第III部 テストプロジェクトやテストチームの管理
    第13章では少し広い視点に立って、開発プロジェクトにおけるテストの位置づけや、スケジュールについて説明します。第15章ではテストチームの役割や管理方法について説明します。

なお、後半には付録として、約80ページにわたって「よくあるソフトウェア不具合」が紹介されており、これを眺めるだけでも初心者にとっては多くのヒントを得られるでしょう。

趣味や授業でプログラミングの経験がある人は多くても、テストまで力を入れる人は多くないかもしれません。これからテストチームや品質管理チームなどの業務に携わる人にはぜひ読んで欲しい一冊です。また、プログラマにとっても、どのようなテストが必要かがわかれば、つまり、どのような部分で問題が起きやすいかがわかれば、どのような部分に注意してプログラミングすればよいかがわかってくるでしょう。