SQLアンチパターン

SQLアンチパターン

SQLでやってはいけないパターン（アンチパターン）をまとめた書籍です。長い間運用されてきたシステムでは、様々な事情で採用されてしまった「アンチパターン」が技術的負債として残っているものですが、この本ではそれらがシンプルにまとめられており、なぜやってはいけないのか、どうすればより良くなるのかをアドバイスしてくれます。なお、タイトルには「SQL」とありますが、SQLの書き方のみならず、大きく次のような部に分かれています。

• I部　データベース論理設計のアンチパターン
• II部　データベース物理設計のアンチパターン
• III部　クエリのアンチパターン
• IV部　アプリケーション開発のアンチパターン

各部にはいくつかの章があり、一つの章は10～20ページ程度でまとめられているので、どの章から読んでも理解しやすい内容です。

各章は、まず目的（SQLでやりたいこと）をサンプルを用いて提示し、アンチパターンをいくつか紹介して「なぜやってはいけないのか」を説明した後に、「アンチパターンの見つけ方」でアンチパターンに陥らないためのヒントを出します。さらに、なにがなんでも「やってはいけない！」と断じるのではなく、「アンチパターンを用いてもよい場合」を考察し、最後に解決策を挙げます。

私はこの本を読みながら今まで携わってきたシステムを思い返し、いくつものアンチパターンで作られたサービスや機能に心当たりがありました。データベースの技術的負債は、一度運用してしまうとアプリケーションに比べ返済が難しいものだと思いますので、開発段階で少しでもアンチパターンに陥らないために本書をお勧めします。