ほんとの出会い系ブログ

今まで出会った本をご紹介します。人気の作品や良書と呼ばれる本が多いと思いますので、出会いのきっかけになれば幸いです。

吾輩は猫である

もっとも有名な書き出しかもしれない「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」でお馴染みの夏目漱石の処女小説。飼い主である中学教師の日常や、そこへ訪れる友人たちのエピソードが猫の視点で語られます。100年以上前の作品にもかかわらずこの自らを吾輩と称する猫の上から目線がおもしろいのです。

また、明治になって社会や人の意識が急激に変わっていった当時の世の中を猫の視点で語ることによって、一歩引いた冷静な風刺としても興味深かったです。

そんな、時に人間を哀れに思うこともある自信家の猫ですが、一方で自分のしっぽを追いかけてくるくる回ったりカマキリと格闘する場面があったりと、傍から見るとやはりただの猫で微笑ましく愛さずにはいられません。