ほんとの出会い系ブログ

今まで出会った本をご紹介します。人気の作品や良書と呼ばれる本が多いと思いますので、出会いのきっかけになれば幸いです。

C実践プログラミング 第3版

C実践プログラミング 第3版

C実践プログラミング 第3版

プログラミング言語Cは比較的歴史が古く、これまで様々な分野で広く利用され、その構文は後の多くのプログラミング言語に影響を与えています。また、いまだに大学などで学ぶ機会も多いでしょう。本書はプログラミング言語Cを基礎から説明します。初心者がつまづきやすいといわれるポインタについても、第13章で「単純なポインタ」、第17章で「高度なポインタ」と二章に分けて図を使って丁寧に説明します。

本書は次のような四部構成となっています。

  • I部 基礎編
    1~3章ではCの簡単な概要と歴史的背景、プログラムの書き方について説明します。4~6章では変数、型、算術演算子、配列、制御文などの基本的な構文を説明し、7章ではプログラミングの手順を説明します。

  • II部 単純なプログラミング
    8~13章では関数、プリプロセッサ、ビット演算子、構造体、ポインタなど、I部で説明した以外の構文を説明します。14章ではファイル関数を使ったファイル入出力を、15章ではデバッグと最適化について説明します。最後に16章で浮動小数点を説明します。

  • III部 高度なプログラミング概念
    17章ではリンクリストやツリーなどのデータ構造を「高度なポインタ」として説明します。18章ではモジュールプログラミングを、19~20章では環境の差によるコンパイラや移植性の問題を、21章では「あまり使用しないCの機能」としていくつかの構文を説明します。22章では「まとめのプログラム」としてひとつのプログラムを作成し、最後に23章ではプログラミングに関する格言を紹介します。

  • IV部 他の言語機能
    付録としてASCIIコード表や演算子の優先ルールを掲載しています。

本書はCの構文の説明だけにとどまらず、Cによるプログラミングを通じて可読性の高いコードやバグを生みにくいコードを書くことの重要性、そのためのプログラミングスタイルや習慣を説明します。これからCを学ぶ方、特にプログラミング自体を学び始めた方におすすめです。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」第5巻です。第5巻は前巻から引き続き夏休みの話ですが、林間学校のスタッフとして駆り出されるようなこともなく、奉仕部としての活動も特に無いため、夏休みの出来事を綴った短編集のような内容です。

まずは由比ヶ浜結衣が比企谷家を訪れます。家族旅行の間、由比ヶ浜の飼い犬サブレを預かってくれるよう頼まれます。次は八幡が予備校に行った際に、川崎沙希に会います。川崎からは、第2巻のスカラシップについて礼を言われ、予備校の帰りに川崎の弟の大志と小町の話を聞くことになります。

またある日は戸塚彩加に誘われ、映画を観に行きます。なぜか観終わると材木座が合流しています。またある日は偶然、平塚先生に会い、二人でラーメンを食べに行きます。個人的にはラーメンを食べながら話すこの二人のシーンが一番印象的でした。卒業後にぜひまた二人でラーメンを食べに行って欲しいものです。

最後は再び由比ヶ浜と会い、二人で花火大会へ行きます。ここではぎこちない二人の会話や距離感が印象的です。また、花火会場では雪ノ下陽乃とも会います。

このように夏休みの間にいろいろな人と会う八幡ですが、第5巻では夏休み中に雪ノ下雪乃と会うことはありません。それゆえ、少し冷静に雪ノ下のことを考え、そして自分が雪ノ下のことをどう見ているのかを考える機会になったのかもしれません。こうして第5巻では夏休みが終わって二学期が始まり、次巻へ続きます。

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機動戦士ガンダムUC(5) ラプラスの亡霊

小説版「機動戦士ガンダムUC」の第5巻です。

ネェル・アーガマを離れデルタプラスで地球へ降りたリディ少尉とオードリーは、リディの父であり、移民問題評議会の議長でもあるローナン・マーセナスのもとへ向かいます。小説版ではリディたちがマーセナス家に到着するシーンや6歳上の姉シンシアとの再会シーン、後援会のディナーシーンなど、アニメ版よりもマーセナス家の出来事が詳しく描かれます。リディが家に感じる不快な「湿度」が伝わってくるようです。

一方、ネェル・アーガマは袖付きの拠点である衛星パラオでの戦闘後、クシャトリアごとマリーダを収容し、ユニコーンガンダムラプラス・プログラムが開示した次のポイントである初代首相官邸ラプラス」の残骸がある座標宙域へ向かいます。ここではビスト財団の輸送船と合流し、アルベルトはマリーダを連れて移動する計画でしたが、その動きは袖付きにも察知されていました。

小説版の最も異なる点は、カーディアス・ビストの側近であるガエル・チャンがガランシェールに接触するところでしょう。ガエルは主の仇討ちのため、ガランシェール隊の力を借りてネェル・アーガマへ潜入を試みます。

第5巻はアニメ版の episode 3「ラプラスの亡霊」の後半に相当します。次はいよいよ舞台が地球へと移ります。

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サーバ/インフラエンジニア養成読本 ログ収集~可視化編

システムの様々なログを収集するためのソフトウェアとしてFluentdの導入が進んでいます。Fluentdは多くのプラグインによって機能を拡張できるほか、プラグイン自体を自分で作成することもできます。ビッグデータに関する書籍ではFluentdを紹介していることがありますが、Fluentdをメインに解説する書籍は多くありません。本書はFluentdの導入から運用のノウハウ、さらには検索サーバElasticsearch、収集したログの可視化ツールKibanaまでをカバーします。

本書は4特集に分かれています。

  • 特集1 ログ解析からはじめるサービス改善
    まずは、一般的なデータ分析の手順を説明し、コーヒーショップのECサイトを例にデータ分析とサービス改善の関係を説明します。さらにFluentd、Elasticsearch、Kibanaの簡単なインストール手順を説明します。

  • 特集2 ログ収集ミドルウェアFluentd徹底攻略
    Fluentdのアーキテクチャ説明からインストール方法、設定方法、運用時の監視、ノウハウを説明します。後半はFluentdのプラグインカタログとなっており、これを眺めるだけでもFluentdでどのようなログを収集、加工できるかがイメージしやすいでしょう。

  • 特集3 Elasticsearch入門
    全文検索サーバであるElasticsearchのアーキテクチャ説明からインストール方法、設定方法、チューニングポイント、プラグインの紹介です。

  • 特集4 可視化ツールKibanaスタートガイド
    データの可視化ツールであるKibanaのインストール方法、設定方法、ダッシュボードの利用方法の説明です。オールカラーページなので、可視化したデータの見え方がイメージしやすく説明されています。

ログにはサーバのアクセスログや障害時に調査対象となるエラーログのほか、アプリケーションが出力するログ、そしてビジネスの意思決定に利用されるログなど様々な種類があります。これらのログを適切な場所に適切な形式で蓄積し、利用者にとって適切な状態で提供できるようにするには、ログ収集基盤が不可欠となります。本書はそのようなシステムを構築するための入門書として最適といえるでしょう。

神の守り人〈上〉来訪編

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

守り人シリーズ第5巻の「神の守り人」上巻です。「神の守り人」は上下巻に分かれており、物語の主な舞台は新ヨゴ皇国の隣国ロタ王国です。これまで、新ヨゴ皇国の隣国として「闇の守り人」ではバルサの故郷カンバル王国が、「虚空の旅人」ではサンガル王国が登場しましたが、最後の重要な隣国がこのロタ王国です。

物語は、ロタ王国との国境に近い新ヨゴ皇国の宿場町から始まります。この町では「草市」が開かれており、タンダに付き合ってこの町を訪れてたバルサは、そこで人買いに連れられた兄妹・チキサとアスラに出会います。その日バルサとタンダが泊まった宿屋には、偶然タンダの知り合いであるロタ王国の呪術師スファルが泊まっており、さらにはあの人買いたちと兄妹もいました。そしてこの宿屋で事件が起こります。人買いたちが姿の見えない何かに突然のどを切り裂かれて死に、バルサも巻き込まれて傷を負ってしまうのです。さらに宿屋が火事になり、何者かに連れ去られそうになったアスラを助けてなんとか逃げ出したバルサでしたが、タンダとチキサは捕えられてしまいます。実は、アスラを連れ去ろうとしたのも、タンダたちを捕えたのも、スファルの仲間だったのです。

人買いたちは何者によって殺されたのか、スファルはなぜアスラを狙うのか、それはロタ王国が成り立った歴史や神々の世界「ノユーク」に大きく関わってきます。また、過去の歴史だけではなく、現在ロタ王国が抱える北部と南部の格差問題も複雑に絡み合ってきます。上巻である本書は、そのようなロタ王国の歴史や政治、それに関わるロタ王国の様々な立場の人々を丁寧に描きます。

本書で印象的だったのは、スファルがアスラを狙う理由を知って迷うタンダに対し、一貫してアスラを助けようとするバルサのシーンでした。アスラの境遇を自らの過去に重ねたバルサは彼女を助けた後も行動を共にし、捕えられたタンダとチキサを助けるために動き出すところで下巻へと続きます。

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アジャイルプラクティス

アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣

アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣

本書は、アジャイルソフトウェア開発を実践する上で役に立つ習慣や手法を紹介します。全9章、45種類のプラクティスで、各プラクティスは次のような内容で構成されています。

  • 悪魔の囁き
    開発者が陥りやすい、リスクの大きな「誘惑」の言葉です。開発時間を短縮するためについついやってしまいそうな悪習慣や、独りよがりな考え方を「悪魔の囁き」として投げかけます。

  • アジャイルプラクティス
    悪魔の囁きに打ち勝つための具体的な方法を解説します。開発現場でよくある出来事を例にして、アジャイルな解決方法を提示します。また、各プラクティスの後半では悪魔の囁きに対して「天使の助言」を紹介します。

  • こんな気分
    アジャイルプラクティスを実践した場合の感情を説明します。

  • バランスが肝心
    本書が紹介するプラクティスも使い方を誤れば役に立たないどころかリスクを増大させてしまうかもしれません。また、すべてのプロジェクトでまったく同じ方法が当てはまるとも限りません。何事もバランスが大事ということで、プラクティスを効果的に実践するためのヒントを紹介します。

本書のプラクティスのタイトルをいくつか紹介します。タイトルだけでもある程度どのような内容かが想像できるでしょう。

  • 応急処置は泥沼を招く
  • 人ではなくアイデアを批判する
  • 時が来たら習慣を捨てる
  • 設計は指針であって、指図ではない
  • いつでもリリースできるようにしておく
  • シンプルにすること
  • 役に立つエラーメッセージを提供する
  • アーキテクトもコードを書くべき
  • コードをレビューする

本書は開発者向けですがソースコードはほとんど出てきません。エッセイのようにすらすら読めるので、開発チームの管理者や経営者、これから開発者になろうとしている初心者にもお勧めです。

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」第4巻です。この巻から小学生の鶴見留美が登場します。

妹の小町の夏休みの課題を手伝いつつ、だらだらと夏休みを過ごしていた比企谷八幡は、奉仕部顧問の平塚静先生に呼び出され、小学生の林間学校のサポートスタッフとして二泊三日のボランティア活動に行くことになります。八幡の他に参加するのは奉仕部のメンバーと妹の小町、戸塚、葉山、三浦、戸部、海老名の合計9人です。一度にこれだけの人数が集まるのは今回が初めてなので、小町が葉山と初対面だったり、八幡は海老名さんと初めて会話するなど、新鮮なやりとりが見られます。

林間学校の一日目はオリエンテーリングのゴールで小学生のために昼食を用意します。この時、八幡たちはオリエンテーリングのグループで孤立している鶴見留美に出会います。その日の9人の夕食時に雪ノ下は、留美が助けを求めるのならば奉仕部の活動として解決に努めると宣言します。しかしその場では有効な解決策は見い出せませんでした。

二日目は肝試しとキャンプファイヤーです。キャンプファイヤーの準備の後に留美の気持ちを聞く機会があった八幡は、ある案を9人に提示します。

今回は表向きは留美の話ですが、雪ノ下が留美に過去の自分を重ねているような描写や、由比ヶ浜も留美の気持ちを汲み取るシーン、葉山も過去の経験を思い出しているようなシーンなど、それぞれの過去が垣間見えます。もちろん八幡が過去に経験した「ぼっちあるある」も健在です。

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